放射線科
CT室について
CT検査は、人体の周囲を回転しながらX線を照射し、透過したX線をコンピュータで解析することで、体の断層画像が得られる装置です。CTの登場は放射線診断の画期的な向上をもたらしましたが、さらに近年ではマルチスライスCTが開発され、短時間に広範囲かつ精密な画像を撮影することが可能となりました。また、血管や病変をより鮮明に映し出す目的に造影剤を使用する場合があります。造影剤を使用することで、病気を見つけやすく、病気の性質を調べたりすることができます。
当院の装置
当院では、
128列スペクトラルCT装置1台:(PHILIPS社製 Spectral CT 7500)
64列マルチスライスCT 1台:(GE社製 Revolution Frontier)
32列マルチスライスCT 1台:(シーメンス社製 SOMATOM Difinition AS OPEN)
16列マルチスライスCT 1台:(シーメンス社製 SOMATOM Emotion 16)
の合計4台を有しております。
Spectral CT 7500
スペクトラルCTは、2022年10月より使用を開始しています。
- この装置は、2層の検出器を設けることで、事前の設定が無くても常に2つのエネルギーを分別収集しているため、すべての検査において後からスペクトラルイメージングが可能となり、より精細な画像診断に役立ちます。
- 心臓検査においては、AIを活用した補正技術機能により、心臓の動きによる画像劣化を抑制し、画質を大幅に向上させます。
- 撮影時間も短く、胸から骨盤までの検査を約2秒で終了でき、小児・高齢者・容態の悪い方にも負担をかけません。
マルチスライスCTの大きな特徴
短時間に広範囲かつ精密な画像を撮影することが可能となりました。この装置の細かい体軸方向の分解能が得られる利点を生かして、視覚的にわかりやすい立体画像の作成や診断精度向上のための再構成画像の作成も行っています。また、大規模でかつ高速な画像サーバー(PACS)とネットワーク型の画像処理装置を設置することにより、3D画像をはじめ全てのCT検査画像を保存し参照することが可能となっています。
- 画像サーバー
- SYNAPSE (富士フィルム社製)
- 画像処理装置(ワークステーション)
- SYNAPSE VINCENT (富士フィルム社製)
- ZIOSTATION (ザイオソフト社製)
1回の息止めで、広範囲の撮影ができ、あらゆる角度からの観察ができる。
胸部から骨盤のMPR画像1
胸部から骨盤のMPR画像2
より細かい画像を作成することで肺の末梢まで観察することができる。
胸部 肺野の画像1
胸部 肺野の画像2
レントゲン検査では得られない立体画像が得られる。
顔面骨折の画像
必要な画像を加工することで、手術時の支援画像となります。
脳腫瘍
肝臓 手術前のシミュレーション画像
動き続ける心臓を鮮明に撮影することができます。
心臓の冠動脈画像