放射線科
血管撮影室について
- 血管造影検査とは
- 鼠径部、手首などの血管からカテーテルと呼ばれる細い管を挿入し、カテーテルから造影剤を注入して、目的の血管を描出する検査です。選択的に血管を造影するので、より鮮明な画像を得ることができます。
- 血管内治療(IVR)とは
- 血管造影検査の手法を利用し、透視・撮影ガイド下で治療対象となる病変血管を内部から治療する方法です。外科手術と異なり、大きな切開を伴わない低侵襲治療法なので比較的早期の退院が可能です。
当院の血管撮影室
7部屋に血管撮影装置を備えており、目的に応じて使い分けています。
頭頚部領域血管室(1室)
使用装置
シーメンス ARTIS icono D-Spin
頭部・頚部血管造影を行い、脳動脈瘤、脳動静脈奇形、硬膜動静脈瘻、脳動脈閉塞及び狭窄などの血管異常の検索と治療、また、頚動脈狭窄症に対する血管形成術(CAS)も行っています。
脳神経領域は大変複雑であり、その治療に当たっては解剖学的構造を詳細に把握する必要があります。回転撮影機能を用いることで、病変の解剖学的な複雑さを3次元的に表現することが可能であり、最適な治療視野の決定を支援するだけでなく、3Dロードマップ機能を用いる事により、2D透視画像と血管系3D再構成画像がマッチング表示され、3D画像上でリアルタイムにガイドワイヤーやカテーテル、コイルの動きや位置を確認することが可能になっています。
ARTIS icono D-Spin
腹部領域血管室(1室)
使用装置
キャノン IVR-CT system
腫瘍性病変に対する動脈化学塞栓療法(TACE)、外傷による血管外漏出部の塞栓(TAE)、透析患者さんに対する経皮的血管形成術(VAIVT)も行います。また、CTを搭載している利点を活かし、ライブで腫瘍位置を確認しながら検体を採取するCTガイド下生検も行っています。
IVR-CT system
循環器領域血管室(3室)
使用装置
フィリップス Azurion 7 B12/12
フィリップス Azurion 7 M20
フィリップス Allura Xper FD20/20
心臓カテーテル検査とは、鼠径部、手首などといった血管からカテーテルという細い管を挿入し、それを冠動脈の入り口付近まで進め、造影剤を注入し冠動脈を動画で撮影する検査です。冠動脈造影(CAG)を行い、狭窄や閉塞等の異常が見られた場合、治療も行っていきます。これをPCI(経皮的冠動脈インターベンション)と言います。PCIではバルーンやステントという金属の網などを用いて閉塞及び狭窄した冠動脈を押し広げたり、病変部を切除したり吸引することもあります。また、不整脈の原因となる場所を焼灼する心筋アブレーションや、ペースメーカー、ICD、CRT-D、等の体内埋込型治療装置の挿入が行われています。その他にも四肢の動脈を治療する(EVT)も積極的に行っています。動脈硬化により足の動脈が狭窄もしくは閉塞することにより、歩行時の痛み、皮膚の潰瘍・壊疽から足を守る治療法です。
Azurion 7 B12/12
Azurion 7 M20
Allura Xper FD20/20
非血管系検査室(1室)
使用装置
キャノン Ultimax-I DREX-UI80
非血管系の穿刺手技に用いられ複数の診療科で共有されています。胆道系穿刺・ドレナージ、腎瘻造設、神経根ブロック、脊髄腔造影、中心静脈カテーテル挿入等行われています。
Ultimax-I DREX-UI80
ハイブリット手術室(1室)
使用装置
フィリップス Allura Xper FD20 OR
外科的手術と血管内治療のハイブリット手術を目的とした手術室です。主にステントグラフト内挿術、TAVI(経カテーテル大動脈弁留置術)、僧帽弁クリップ術、左心耳閉鎖術を行っています。
また、脳外科・整形外科・産婦人科等の様々な症例に対して、術中の画像支援を行っています。
Allura Xper FD20 OR