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香取海匝地域認知症疾患医療センター

センター長ご挨拶

当院は千葉県認知症疾患医療センター(香取海匝地区)に指定されております。現在、千葉県内すべての二次医療圏にセンターが配置され、以下のような役割を果たしております。
①認知症に関する専門医療相談
②疾患の原因特定と初期対応
③身体合併症,周辺症状の診断治療
④医療福祉スタッフへの研修
ところで、認知症の原因の2/3はアルツハイマー型認知症です。この病気、ご存じのように現在の医学では治すことはできません。だんだんに物忘れが進行し、高次機能(理解・判断力、実行能力)が徐々に低下します。今まで普通にできていたことができなくなり、ひいては生活に支障が出ます。つまり、医療だけでは解決できない病気なのです。
認知症による生活障害があっても、できるだけ自宅で長く生活できるように各職種、地域でサポートする、そのお手伝いをするのがセンターの役割だと思います。
認知症で困った際には、かかりつけの先生、市町村の地域包括支援センターを介し、センター相談窓口にご連絡ください。もちろん、直接相談されても結構です。
今後とも、当院の各部署、および周辺医療機関福祉施設、介護/福祉施設、行政と協力してセンターとしての役割を果たしていきたいと思います。

認知症疾患医療センター長 持田 英俊
2018年1月

受診のご案内

受診手順はこれまでと同様です。紹介状に診療科の記載があれば、当該科で診察します。記載のない場合は、従来通り、総合受付およびインフォメーションで相談をお受けした上で、受診科を調整いたします。
※紹介状は「認知症疾患医療センター」宛ではなく、「診療科名」の記載をお願いしてください。

  • 診断と初期対応、身体合併症への対応を終えた患者さんは、かかりつけ医の先生をご紹介し、患者さんを地域全体で支えられるよう努めます。
  • 脳神経外科(原則紹介状を持参してください)
  • 神経精神科(紹介状が必要です。また受診には事前予約が必要です)
  • 神経内科 (紹介状が必要です。また受診には事前予約が必要です)

認知症疾患医療センターの活動内容

「認知症疾患医療センター」の活動内容はこちらよりご覧ください。

アルツハイマー型認知症抗体製剤(レカネマブ、ドナネマブ)について

 当院では2024年1月より抗体製剤の投与を開始しました。この薬はアルツハイマー病の原因とされるアミロイドβタンパクを脳内から除去する薬です。これによって病状の進行を遅らせることができます。

1.対象になる人

     アルツハイマー病による軽度認知障害(認知症予備軍)か軽症アルツハイマー型認知症の人が候補になります。認知症を治すのではなく、進行しづらくする薬に過ぎません。ですから、すでに進行した認知症の人は候補になりません。原則、年齢制限はありません。現在、2剤が使用可能です。
     検査で脳内にアミロイドβというタンパク質が沈着している人が対象です。


2.治療方法

     2~4週間に1回、病院で1時間程度の点滴を行います。最長で1年半継続します。
     副作用の判定のため定期的にMRIを撮影します。
     詳細はかかりつけの先生あるいは当院の認知症疾患医療センターにご相談ください。
     投与対象であれば、効果/副作用、高額療養費制度の利用、投与体制について説明し、ご本人/家族の同意を得たうえで投与を開始いたします。


広報誌「こんにちは」第37号[2024年1月発行]『医療最前線』にて、認知症について特集しています。