感染対策の取り組み
2019年に新型コロナウィルス感染症が発生してから、感染対策についての関心が高まっています。当院では昭和60年4月より院内感染対策委員会を設置し、院内感染防止に努めています。感染対策は病院職員が一丸となって取り組むものであり、病院すべての部署に適応するものです。委員会は病院長、副院長(委員長)、院長補佐、内科医師、小児科医師、看護師長、薬剤師、細菌検査技師、放射線科技師、栄養科、事務局より構成され、月1回会議を開催しています。また、看護局感染対策委員会(リンクナース会)も月1回開催され、院内感染対策委員会の決定事項を各病棟・外来・部署に伝達、指導しています。
院内感染対策委員会の活動は以下の通りです。
- MRSAをはじめとする薬剤耐性菌のサーベイランスとその評価・対策
- 特殊疫学調査の実施
- 感染対策マニュアルの作成・改訂
- 定期的な院内各部署の環境ラウンドの実施と評価
- 抗菌薬の適正使用の指標と監視
- 院内の医療廃棄物処理規定に基づく適正な処理の指導と監視
- 問題となる院内感染症発生時の迅速な対応
- 感染症発生動向調査の基幹定点病院としての報告
- 定期的な感染対策の啓発活動(院内研修会)
当院では感染対策の基本としての「手指衛生」を重視し、全病棟のスタッフに向けて手洗い指導を行っています。耐性菌を増やさないために抗菌薬の適正使用が必須ですが、院外からも感染症専門医を招き、医師への講習を行っています。
感染対策室のご紹介
院内感染対策に関する基本的な考え方
当院の感染対策の使命は、医療関連感染を未然に防止するとともに、ひとたび感染症が発生した際には拡大防止のために、その原因を速やかに特定しこれを制圧し収束させることです。院内感染対策を職員および委託業者全員が理解し、当院の理念に沿った医療が提供できるようにします。
感染対策室は、院内感染対策室長、感染症科医師、感染管理認定看護師、感染管理特定認定看護師、細菌検査技師、感染管理認定薬剤師、事務員で構成され、感染対策委員会の事務局・感染対策チーム(Infection Control Team = ICT)として組織横断的に活動しています。
院内感染対策に関する管理組織
院内感染対策委員会(ICC)は、病院長、看護局長等各関係部門の代表者を構成員として組織され、毎月開催されています。日常的に院内感染対策の活動を行うICTを委員会の下部に設置し、ICTで提起された内容を審議・承認します。
◇感染対策チーム(ICT)
院内感染対策の検討・推進、院内感染の対応及び原因究明、感染症発生等の情報収集と分析、院内感染対策に関する職員の教育・研修等を計画・実践・評価し、ICCへ報告しています。
感染症及び保菌者サーベイランス
細菌検査室と連携し、病院内の感染症の発生状況及び病原菌の検出状況を情報収集し、院内で拡散していないか確認しています。感染症制御システムの導入により、よりリアルタイムに情報収集が可能となり、現場への迅速な情報提供ができています。
医療関連感染サーベイランス
JHAISに登録し、CAUTIサーベイランス、集中治療部門VAEサーベイランスを実施しています。また、看護協会のDinql事業でのCAUTIサーベイランスに登録しています。
JANISのNICU部門・細菌検査部門サーベイランスに登録・参加しています。消化器外科でのSSIサーベイランスを実施しています。
ICTラウンド
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全病棟は毎月1回、各外来・検査室は2か月に1回ICTラウンドを実施しています。感染対策の実施状況の確認や、委員会で決定された重要事項の伝達を行います。
看護局感染対策委員会(リンクナース会)
各病棟・外来・各部署から看護局長に任命されたリンクナースで構成され、毎月開催されます。感染対策委員会で決定した内容を各部署へ伝達し、各部署での感染対策のリーダーとなっています。
院内感染対策マニュアルの改訂
院内感染対策マニュアルを定期的に見直し、改訂できるよう計画し、院内感染対策委員会と連携し、実行しています。
院内研修会の開催
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病院職員および委託業者向けに院内感染対策研修会を開催しています。全職員・全委託業者が2回/年受講できるよう、DVD・YouTubeでの視聴ができるよう整備しています。
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新研修医・新人看護師向けに感染対策研修会を開催しています。
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看護局教育委員会と共同で院内認定感染対策看護師を育成しています。
感染防止対策地域連携カンファレンス
感染防止対策加算2施設(4施設)と連携し、4回/年カンファレンスを開催しています。連携施設と共同課題として、手指衛生・抗菌薬適正使用を取り上げ、情報交換・活動報告をしています。また各施設のラウンドや事例検討を行い、地域ぐるみの感染対策を実践しています。