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病院長あいさつ

  • 病院長 野村 幸博
    病院長 野村幸博

 当院は高度急性期機能を有する、地域医療支援病院であることから、その責務を果たすために様々な取り組みをしています。そのような取り組みのいくつかをご紹介します。


  • 救急医療の充実:三次救急医療機関として、24時間365日重症の救急患者を受け入れており、救急車搬送は年間9000件以上、応需率は90%を超えており、救命救急センターは最高のSランクの評価を得ています。
  • 医療安全の確保:医療安全管理推進室が中心に患者安全のための活動を行っています。例えば、インシデントレポートの収集・分析によって医療事故防止に役立てたり、職員の医療安全教育・研修を積極的に行って安全意識の向上に寄与したりしています。
  • 院内感染対策:感染対策室を中心に感染対策委員会や感染対策チームを組織し、病院全体で院内感染の予防や拡大防止に取り組んでいます。コロナ禍では、地域の病院や介護・福祉施設等と連携し、院外の活動も積極的に行ってまいりました。
  • 医療の質の維持・向上:TQMセンターが医療の質を向上させるための活動をしています。具体的には、様々なQI(質指標=患者満足度、クリニカルパス適用率など)の算出と分析、QC活動(質改善活動)の推進、組織横断的活動の支援、などを行っています。
  • 職員の教育・研修:最新の医療を学ぶために多彩なセミナーや研修会を開催しています。また、より多くの学習機会を提供するためにeラーニングも積極的に活用しています。

 さて、2024年度は医療界にとって以前にも増して様々な課題が課された年になりました。
 その課題の一つは医師の働き方改革です。医師の健康を確保するために、時間外労働時間の短縮や勤務間の休息の確保などが必須となりますが、その一方で働き方改革によって医療の質が低下することのないようにしなければなりません。当院のような忙しい高度急性期病院では極めてチャレンジングな課題ですが、病院職員だけでなく地域住民の方々の協力も得ながら働き方改革を進めて行きたいと考えています。
 また、2024年度から「新たな地域医療構想」の検討が始まります。2040年代には日本の高齢者人口がピークに達し、生産年齢人口が減少して人手不足が深刻になります。この「2040年問題」に対処するために新たな地域医療構想を策定し、高齢者救急への対応、医療と介護の連携強化、医療DXの推進など、多岐にわたる取り組みを進めようというわけです。当院は地域医療を担う中核病院として、これらの課題に積極的に取り組んでいく所存です。
 医療界を取り巻く情勢は年々厳しくなっているように感じますが、そのような中でも当院の基本理念「すべては患者さんのために」を忘れることなく、常に患者中心の医療を心がけてまいりますので、今後とも旭中央病院をよろしくお願い申し上げます。

2024年4月