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理事長あいさつ

  • 理事長 吉田 象二
    理事長 吉田象二

 当院は1953年に地域住民の健康を守るという目的で設立され、2023年に開院70周年を迎えました。一部事務組合立の国保病院として発足しましたが、構成市町の合併により国保旭市立病院、さらに2016年からは地方独立行政法人病院と経営形態を変更して現在に至っております。
 病院史においてこの70年間は大きく4つの時期に分けられます。設立後から診療圏を拡大し地方公営企業法全部適用の病院となりその後の発展の基盤を築いた約25年間を創設期、1980年から約20年間を成長発展期、2000年から2016年に地方独立行政法人になるまでの16年間を成熟期、以後を「2025年その先へ」むけた新たなる地域医療展開の時期にわけることができます。一方病院の機能の面で振り返ると、地域の病院ではじまり、地域の基幹病院に発展し、さらには広域基幹型急性期病院となり2017年からは地域医療支援病院としてその役割を果たしてきています。
 70年間の社会の変化は激しく、第2次世界大戦後の復興から、高度成長期を経て瞬くうちに少子高齢化時代に突入してきています。社会構造の激変に伴い、当然ながら医療に対する社会のニーズも変化してきており、主たる対象疾患も大きく変わってきています。これからの地域医療を考えるとき、70年間実践してきた道を振り返り改めて、今後の地域医療のあるべき姿を構想し皆さんとともに考えていかなければなりません。
 旭中央病院は病院の類型では広域基幹型急性期病院に分類されます。当院を受診する方のうち旭市在住の患者さんの占める割合は外来で約30%、入院で25%程度であり、旭市を含む広い圏域から患者さんを受け入れています。また医療法で定められた5疾病(がん、脳卒中、心筋梗塞等の心血管疾患、糖尿病、精神疾患)、5事業(救急医療、災害時における医療、周産期医療、小児医療、新興感染症対策)全ての、地域における拠点病院になっています。2022年度の香取海匝2次医療圏における当院の疾患占拠率は54.5%に達しており、特に小児疾患は100%、婦人科疾患は94.0%と高い値になっており、数字の上でも基幹病院であることが証明されています。広域基幹型急性期病院の必要条件として下記のことが挙げられます。①救命救急センターを併設し24時間対応の救急医療を行う、②高度先進医療を含む地域で一番の高品質な医療を提供する、③5疾病、5事業すべての地域における拠点病院である、④基幹災害拠点病院として災害時に中心的役割をはたす、⑤医療従事者の教育研修病院である、⑥予防医療を充実し地域住民の健康寿命の延伸に貢献する、⑦地域連携の更なる強化(医療機関だけでなく、行政、施設、住民すべてに面で対応する)を行い密なるネットワークを構築する、⑧医療DX(デジタルトランスフォーメーション)を推進し医療の質を向上させる。
 この2024年4月からは第3期中期計画(~2028年3月)がスタートしました。人口減少や働き方改革さらには新型コロナ感染症を契機とした人々の受療行動の変化など乗り越えるべきハードルは高いものがありますが、当診療圏において当院は今後も24時間対応の救急医療を核とした広域基幹型急性期病院としての役割が期待されています。
 地域の皆さまに一層信頼され、職員にとっても働き甲斐のある病院であるよう努めてまいりますので、今後もよろしくお願い申し上げます。

2024年4月