放射線科
マンモグラフィ検査について
マンモグラフィは乳房専用のX線装置を用いて、乳癌などの乳腺疾患を診断する検査です。
マンモグラフィ画像
日本乳がん検診精度管理中央機構の検診マンモグラフィ撮影認定では5名の技師が認定を受けています(2020年5月現在)。同機構のマンモグラフィ施設画像評価で施設認定を受けています。
当院の装置
当院は富士フィルムメディカル社およびAMULET f、日立メディコ社LORAD M-IVが設置されています。平成25年3月から導入されたAMULET fは画素サイズ50μmの直接変換方式フラットパネル装置であり、病変部をより精細に描出することが可能になりました。
AMULET f
AMULETf(コンソール) LORAD M-IV
乳房生検について
- 乳房生検とは、画像ガイド下で使用する吸引式乳房生検(vacuum-assisted breast biopsy(VAB))の一種です。
- 放射線科ではステレオガイド下乳房生検を施行しており、マンモグラフィ上で悪性が疑われる石灰化巣などが対象となります。
- AMULET fは直接変換方式フラットパネル装置であり、画質に優れ、より淡い石灰化病変に対しても検査を施行することが可能になりました。
- 乳房生検で使用される針はその他の針生検と比較し、針が太い・吸引しながら細胞を採取する・一度の穿刺で連続して採取可能という特徴があり、確実な病理診断が可能です。
- 検査時間は1時間程度で、以下のような手順で行われます。
- 患者さんに側臥位に寝てもらう
- マンモグラフィ装置で撮影しながら採取位置を決定する
- 採取位置に麻酔を行う
- 針の刺入部位を切開する
- 針を刺入し組織を採取
- 採取した組織に石灰化が含まれているか確認し、検査完了
- 検査は乳腺センターの医師・看護師と協力して行います。
- 技師は2名程で検査を行い、撮影装置の操作担当者、吸引装置の操作担当者に分かれます。
- 検査中は医師・看護師・技師で患者さんの容態に気を配りながら、より速く・より正確に検査できるよう努めています。
当院の装置
撮影装置は富士フィルムメディカル社AMULET f、吸引装置はメディコン社EnCor ENSPIREを使用しています。
一般撮影検査について
外来撮影室は11室あり、胸部、腹部、骨盤、脊椎、頭部、四肢、乳腺、パントモなどの単純撮影、歯科用CTおよび骨密度測定を行っています。CRシステムとFPD搭載のDR撮影装置・カセッテDR装置導入により、検査時間の短縮・低線量化・高画質に繋がっています。また画像処理では、従来レンジ圧縮処理したデータ取り込みから、フルレンジのRawデータをダイナミックレンジ処理することで細部の情報も描出可能になりました。FUJIFILM DR BENEOシステムではX線管球の位置合わせを自働で行うオートポジショニング機能や、長尺撮影において1回の操作で複数枚の画像を撮影し、自動的に画像合成され1枚に表示されます。
※(CR:computed radiography 、FPD:Flat panel detector、DR:Digital Radiography)
ポータブルX線装置は12台あり、中でも救急外来処置室、救命救急センター、ICUおよび手術室でのポータブル撮影はカセッテDRを用いて撮影し、その場で画像確認・画像処理・院内無線LANを利用し画像転送が可能です。また画像処理ソフトとしてVirtual Grid(バーチャルグリッド)が導入されており、グリッドを使用することなく、高コントラストな画像を低線量で撮影することができます。
歯科用CTは歯科、口腔領域に特化した装置で低被曝かつ高分解能の画像が得られます。
歯科用CT
胸部
腹部
全脊椎
下肢全長
頭部
パントモ
腰椎 従来撮影
腰椎 フルレンジ処理
当院の装置
- パントモ撮影室AZ3000CMR
- 頭部撮影室AZ-D1
- FUJIFILM DR BENEO
- カセッテDR CALNEOc mini Wireless SQ
- 画像処理ユニットconsole Advance
- 歯科用CT装置 3D Accuitomo (タイプF17D)
胸部撮影室
骨系撮影室
長尺用撮影
パントモ撮影室
歯科用CT装置
頭部専用撮影室
骨密度検査室について
骨粗鬆症の骨折リスクを早期発見、予知する目的やステロイド骨症の変化、薬物効果の変化を捉えることができる検査です。
当院では2種類のエネルギーによるX線透化率の差を利用し測定するDEXA法にて腰椎および両側大腿近位部の3カ所を主に測定しています。また、治験での骨密度測定も行っております。
各部位の測定メリット
----- 腰椎 ----- | ----- 大腿近位部 ----- |
---|---|
骨折発生頻度の高い領域を高精度で測定、骨折リスクの評価に優れます。 本院では肋骨や腸骨の影響を考慮しL1とL5を除外したL2~L 4を用いて測定を行っています。 |
大腿骨頚部骨折は、寝たきりなどADL低下に直結してしまう危険性があります。 その骨折リスクを最もよく反映し他の骨折リスクの検出にも優れます。 |
ほか、前腕の骨折性リスクの高い場合の評価目的に前腕の骨密度測定を行っております。
DXA法の特徴
- 被ばく量が極めて低い。
- 体格による影響を受けず、精度が高い。
- 短時間で受診者の負担が少ない。
上記の事から、骨密度検査の標準方法とされています。
(骨粗鬆症診療ガイドラインにて骨粗鬆症診断にはDXA法を用いた腰椎と大腿近位部の両者測定が推奨されています。)
「骨粗鬆症と予防と治療ガイドライン2011年度版」より
当院の装置
HOLOGIC社製骨密度測定器「QDR-Discovery」
・最速10秒(L2-L4)で測定可能。
・腰椎側面による測定が可能。
「骨粗鬆症と予防と治療ガイドライン」にて腰椎側方測定は推奨されていませんが同部位の測定であっても正面と側面を測定するとBMD比に多少の誤差が生じる場合があります。これは骨粗鬆症の重症度、大動脈の石灰化、呼吸による体動等が原因に上げられます。腰椎正面のみで起こりうる偽陰(陽)性をカバーする目的で腰椎側面の測定を行っております。
HOLOGIC社製骨密度測定器「QDR-Discovery」