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放射線科

血管撮影室について

血管造影検査とは
鼠径部、肘、手首などの血管にカテーテルと呼ばれる細い管を挿入し、カテーテルから造影剤を注入して、目的部位の血管を描出する検査です。目的部位に近い血管から造影剤を注入することが出来るので、より鮮明な血管像を描出することが出来ます。
血管内治療(IVR)とは
血管造影検査法の手法を利用し、カテーテルを通して様々な小さな道具を出し入れし、それを駆使して、治療対象となる病変血管を内部から治療する方法です。外科手術と異なり、大きな切開を伴わない低侵襲治療法なので、比較的早期の退院が可能です。

当院の装置

当院では、血管撮影室として6室の検査室があり、目的に応じて使い分けています。

脳血管検査室(1室)

使用装置として、ニューロインターベンション用バイプレーン型X線診断装置としてPHILIPSエレクトロニクス ジャパン製 Allura Xper FD20/20 が導入されています。
頭部・頚部血管造影を行い、脳動脈瘤、脳動静脈奇形(AVM)、硬膜動静脈瘻(dural-AVF)、脳動脈閉塞及び狭窄などの血管異常の検索と治療を行っています。また、頚動脈狭窄症に対する血管形成術(CAS)も行っています。

脳神経領域は大変複雑であり、その治療に当たっては解剖学的構造を詳細に把握する必要があります。3D-RA機能を用いることで、病変の解剖学的な複雑さを3次元的に表現することが可能であり、最適な治療視野の決定を支援するだけでなく、3D Roadmapping機能を用いる事により、2D透視画像と血管系3D再構成画像がマッチング表示され、3Dボリューム画像上でリアルタイムにガイドワイヤーやカテーテル、コイルの動きや位置を確認することが可能になっています。

  • 血管撮影室
    血管撮影室
  • 頭部正面画像
    頭部正面画像
  • 頭部側面画像
    頭部側面画像
腹部血管系検査室(1室)

血管撮影装置とCT装置が配備されたIVR-CT検査室になります。使用装置として、TOSHIBAメディカルシステムズ製 天井走向式X線循環診断装置Infinix Celeve-i INFX-8000Cとガントリー自走式16列マルチスライスCTとしてAquilion LBが導入されています。

腹部・骨盤血管造影を行い、腫瘍性病変とその栄養血管の検索と塞栓術(TAE)、また腫瘍に対するカテーテルでの抗がん剤注入療法(TAI)、肝内門脈枝塞栓術(PTPE)、外傷後の血管外漏出部位の検索とその塞栓、透析患者さんに対するシャントPTA(経皮的血管形成術)も行っています。また、CTを搭載している利点を活かし、ライブで腫瘍位置を確認しながら検体を採取するCTガイド下生検も行っています。

  • 血管撮影室
    血管撮影室
  • 肝TAEのDSA
    肝TAEのDSA画像
  • IVR-CT
    IVR-CT画像
心血管系検査室(2室)

使用装置は循環器系X線診断装置としてPHILIPSエレクトロニクス ジャパン製 Azurionが導入されています。

心臓カテーテル検査とは、鼠径部、肘、手首などといった血管からカテーテルという細い管を挿入し、それを冠動脈の入り口付近まで進め、造影剤を注入し冠動脈を動画で撮影する検査です。冠動脈造影(CAG)を行い、狭窄や閉塞等の異常が見られた場合、治療も行っていきます。これをPCI(経皮的冠動脈インターベンション)と言います。PCIには経皮経管的冠動脈内血栓溶解療法(PTCR)、バルーンやステントという金属の網などを用いて閉塞及び狭窄した冠動脈を押し広げる経皮経管的冠動脈血管形成術(PTCA)、そして動脈硬化組織片(プラーク)切除術及び吸引術(Atherectomy)の3つがあり、病変に応じて組み合わせて治療を行っていきます。患者様の病態に応じては、補助循環として大動脈バルーンパンピング(IABP)及び経皮的心肺補助装置(PCPS)の挿入も行います。また、検査として異型狭心症診断の為のエルゴノビン負荷試験、左心室造影検査、右心カテ検査(スワンガンツカテーテルを用いて、心内圧測定、心拍出量測定、酸素飽和度測定等を行い心機能を評価する検査)なども行っています。

また、不整脈に対する心筋アブレーションや、ペースメーカー、ICD、CRT-D等の体内埋込型治療装置の挿入や、末梢血管のインターベンション(PPI)もここで行っています。

  • 血管撮影室
    血管撮影室
  • CAG
    CAG画像
  • 下肢EVT
    下肢EVT
非血管系検査室(1室)

使用装置として、TOSHIBAメディカルシステムズ製 多目的デジタルX線透視診断装置 Ultimax-I DREX-UI80が導入されています。

この部屋は主に非血管系の手技に用いられ、PTGBD、腎瘻造設、神経根ブロック注射、ミエログラフィー、そしてCVポート造設などが行われています。

  • 血管撮影室
    血管撮影室
  • 腎瘻造設
    腎瘻造設の画像
  • PTGBD
    PTGBDの画像
ハイブリット手術室(1室)

手術室には、ハイブリット手術室対応全身血管造影診断装置として、PHILIPSエレクトロニクス ジャパン製 Allura Xper FD20 ORが導入されています。このシステムは、手術室に血管撮影装置が組み込まれたもので、外科的治療と血管内治療のハイブリット手術を可能にしています。当院では、大動脈ステントグラフト内挿術、TAVI(経カテーテル大動脈弁治療)が主な適応となっています。

また、脳外科・心臓血管外科・産婦人科等の様々な症例に対して、術中の画像支援を行っています。

  • OPE室15番
    ハイブリッド手術室
  • 大動脈ステントグラフト
    大動脈ステントグラフトの画像