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C型肝炎の治療法(薬)について(内科:嶋田太郎)

Q : C型肝炎の新しい治療法(薬)があると聞いたのですが、どのようなものですか?

A : C型肝炎はC型肝炎ウイルス感染により起こる肝臓病です。肝臓に慢性的な炎症が起き、10〜30年かけて徐々に肝臓が硬くなり、最終的に肝硬変に至ります。肝硬変は黄疸や腹水、食道胃静脈瘤などの恐ろしい症状の原因となりますし、肝臓がんも発生しやすくなります。C型肝炎の最も効果的な治療法は、肝硬変になる前に「ウイルスを消すこと」です。

 C型肝炎ウイルスの感染者数は国内150〜200万人、世界で約2億人といわれ、各国の製薬会社が治療薬の研究開発を競ってきました。おかげでC型肝炎治療は近年飛躍的に進歩し、続々と新薬が登場しています。

 C型肝炎治療には1990年代より「インターフェロン」という免疫を活性化させる薬が使われてきました。現在は「ペグインターフェロン」を週1回注射し「リバビリン」という薬を毎日飲む、略して『ペグリバ療法』が治療の柱です。C型肝炎ウイルスは遺伝子の違いにより1型と2型に分けられ、2型は半年のペグリバ療法で80%以上の患者さんに効果があるのに対し、1型では1年〜1年半と長期のペグリバ療法でも約50%の患者さんにしか効果がありませんでした。しかし、数年前にペグリバ療法に付け加える薬が登場し、治療効果が格段に向上しました。現在は「シメプレビル」という飲み薬と「ペグリバ療法」を併用し、半年の治療で1型でも90%近い患者さんに効果が得られるようになりました。

 初期のインターフェロン治療は約10%の患者さんにしか効果がなく、現時点でもC型肝炎治療は大きな進歩を遂げたといえますが、完全ではありません。インターフェロンには副作用が多く、高齢者や肝硬変の方、過去に強い副作用が出た方には使いづらいからです。その問題を解決する治療法が、昨年の9月に登場しました。インターフェロンを使わず「アスナプレビル」「ダクラタスビル」という2種類の飲み薬だけという革命的な治療です。肝機能障害などの副作用はありますが、1型ウイルスの80%以上に効果があります。来年以降も飲み薬だけの治療が続々と承認される見込みで、中には治験で100%近い治療効果が報告された薬剤もあります。

 現在、飲み薬だけの治療は高齢者や初期の肝硬変、インターフェロン治療無効または副作用で中止した方に限定されています。それ以外の患者さんにはインターフェロンを用いた治療が必要ですが、近い将来にすべての患者さんが飲み薬だけで楽に治療できるようになります。ただし、新しい治療を待っている間に肝臓病が進行する危険性もあります。適切な治療のタイミングや薬剤の選択は、肝臓の状態や生活状況により患者さんごとに異なります。消化器内科外来(肝臓)で、相談しながら方針を決めていきましょう。