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早く受診して欲しい循環器系の症状(循環器内科:鈴木 勝)

健康を維持するのに一番大切なのは予防を心がけること、そして病気の早期発見と早期治療開始だと思います。循環器内科の領域でなるべく早く受診して欲しい症状である「胸痛」と「動悸」について解説しますので参考にして頂ければ幸いです。

胸痛と虚血性心疾患について

胸が時々しめつけられるように痛んだり、何かに押されたりするような症状を自覚する方がいます。特に急いで階段を駆け上がったり、重い物を持った時などにこの症状は出現し易い傾向があります。

このような症状がみられる方は「狭心症」と言って「冠動脈」に動脈硬化が起こり、心臓の筋肉に十分に血液が流れにくくなっている可能性があるのです。通常は体を休めると数分以内におさまってきます。

また、はっきりとした胸痛でなくても、左肩や左腕が痛くなったり背中が張る、喉元がじりじりする、みぞおちの辺りが痛む、などの症状も要注意です。内臓が原因の痛みは必ずしもその臓器の近くだけが痛む訳では無いのです。

更に、特別な運動や活動もしていないのに激しい胸痛が始まりなかなか治まらないことがあります。これは「心筋梗塞」を発症している可能性があり緊急に受診して欲しい状態です。

だらだらと冷や汗をかいたり、吐き気がすることもあり、中には意識が遠のくような発作を起こされる方もいます。狭心症と違い「冠動脈」は完全に詰まってしまい、心臓の筋肉は酸素不足のため強い障害を受けてしまいます。

心筋梗塞の死亡率は一般に30%とも言われていますが、病院に早期に受診されると助かる可能性がずっと増えます。この2年間に当院に受診された心筋梗塞の患者さんは約200名で、10名の方が亡くなりました。死亡率は約5%ということになります。

一般に「狭心症」や「心筋梗塞」のように心臓の筋肉に血液が十分に行き渡らなくて、酸素不足を起こすような病態を「虚血性心疾患」と称し最近は増加する傾向にあります。
どうか上に説明したような症状を自覚されたらなるべく早く受診して下さい。

動悸と不整脈について

胸がどきどきするのを一般に「動悸」と呼びますが、これは通常「不整脈」という病気に対応する症状です。一口に不整脈と言っても数多くの種類があり、それに対応して症状の現れ方はすべて異なります。

胸の辺りが時々ドキンと強く打ったり、拍動が途切れたりするような症状を訴える方がいます。

これは恐らく「期外収縮」という不整脈の可能性が高いでしょう。これは心臓のきちんとした拍動を心房や心室の臨時の刺激が乱すものですが、ほとんどの場合害がありません。

しかし稀には心臓の機能が障害されたために出現するケースもあります。このような症状を最初に自覚した場合や、今までよりも頻度が増したような気がする場合は是非受診して精密検査を受けた方が良いでしょう。

一方、脈が急に早くなりしばらくドキドキした感じが続くという症状があります。

これは頻脈発作と言って、心拍数は毎分150〜200くらいに増えていることがあります。これにも様々な種類がありますが、これだけ心拍数が急に増加すると心臓の働きにもかなりの負担となりなるべく早く元のリズムに戻した方が良いでしょう。

15分くらい経って治まらない場合は臨時に受診して治療を受けて下さい。仮にすぐに治まってしまっても再発を予防するためには精密検査を受けて病態を調べた方が良いでしょう。

脈が早めとなり胸がドキドキしたり苦しくなる「心房細動」という不整脈があります。これは心臓の働きに障害があって出現するケースが多く、要注意です。
自分で脈を調べてみると不規則に打っていることがわかると思います。

この不整脈は心臓の機能を更に低下させ心不全の原因となることもあるし、脳梗塞の原因ともなり得るので厳密な管理が必要となります。もしこのような不整脈の疑いがあればなるべく早く受診して精密検査を受けることをお勧めします。

心臓病の症状にはこの他、息切れやむくみ、意識を失う発作などもあります。心配なことがあればいつでも受診して下さい。